轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だんそうがん
断層顔
海野 十三
「探偵よみもの」1947(昭和22)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,033 字 · 33 页
「ふうん、今朝はこのごろのうちで一番調子がよくないて。そろそろ心臓も人工のものにとりかえたが、いいのかな」
――いや、こんなことを一々書きつらねて、彼の昭和五十二年における生活ぶりを説明して行くのは煩わしすぎる。あとはもうなるべく書かないことにしよう。特別の場合の外は……。
帆村が、人工肺臓もとりかえ、朝の水浴びをし、それから食事をすませて、あとは故郷の山でつんだ番茶を入れた大きな湯呑をそばにおいて、ラジオのニュース放送の抜萃を聞き入っているとき、カユミ助手が入って来て、来客のあるのを告げた。そしてテレビジョンのスイッチをひねった。
映写幕の上に、等身大の婦人の映像があらわれた。
ハンカチーフで顔の下半分を隠している。その上から覗いている両眼に、きつい恐怖の色があった。
服装は、頭に原子防弾のヘルメットを、ルビー玉の首飾、そしてカナダ栗鼠の長いオーバー、足に防弾靴を長くはいている。一メートルばかりの金属光沢をもった短いステッキを、防弾手袋をはめた片手に持っている。
要するに、事件にまきこまれて戦慄している若い女が訪れたのだ。特に教養があるというわけでもなく、さりとてうすっぺらな女でもなさそうだ。