轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だんそうがん

断層顔

海野 十三

「探偵よみもの」1947(昭和22)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,033 字 · 33 页

青空文庫

――帆村は目を大きくむいて失笑した。

「惚れているとは……よくまあそんな下品な言葉を発し、下品なことを考えるもんだ。今の若い者の無軌道。挨拶の言葉がないね」

「だって、そういう結論が出て来るでしょう。おじさまは今のお客さんから当然聞き出さなくてはならない重大な項を、ぼろぼろ訊き落としています。なぜ名探偵をして、かの如く気を顛倒せしめたか。その答は一つ。老探偵――いや名探偵は恋をせり、あの女に惚れたからだと……」

「というのが君の推理か。ふふん。で、私がいかなる重大事項を訊き落としたというのかね」

「たとえば、ええと……あの婦人がなぜその男を恐れているのか、その根拠をはっきりついていませんね」

「恐怖の理由は、あのひとがはっきり説明して行った。その男の顔がたいへん恐ろしいんだそうな。それがいつもあのひとをつけねらっていると思っている。それだけの理由だ」

「それはあまりに簡単すぎやしませんか。恐怖の理由をもっと深く問い糺すべきでしたね。真の原因は、もっともっと深いところにあると思う」

「君はわざわざ問題を複雑化深刻化しようとしている。それはよくないね。物事は素直に見ないと誤りを生ずる」