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あたらしいていこうについて

新しい抵抗について

宮本 百合子

「学生評論」1号、1949(昭和24)年9月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,451 字 · 31 页

青空文庫

文学者がファシズムに反対し、戦争挑発に反対して現実的に行動する必要にめざめていることは、「知識人の会」の組織されたことをみても分るし、「平和をまもる会」に文壇の長老が参加していることにもあらわれています。『近代文学』のグループといえば、ブルジョア民主主義の限界内で、個人主義的な主体性の確立の論議にとらわれていたようだけれども、去年の夏からファシズム反対の積極的な活動体となってきています。少くともこんにちのまじめな文化人は、一九三〇年代の終りの日本の人民戦線当時の失敗と悲劇とを再びくりかえすまいと、かたく決心しているのです。三年前には、文学における政治の優位性という問題が、政治への嫌悪、権力への屈服の反撥と混同され、その基本的な理解において、論議の種でした。一年一年が経つごとに社会と政治の現実は、人間性と文化の擁護のためにはファシズムと闘わなければならないという実際の政治的必要を文化欲求の基礎として実感させてきました。そしてそれは行動されはじめました。文学における政治の優位性の問題は、現在では具体的な内容をもって二歩も三歩も前進しています。(これは一つの大きい複雑な課題だからここでは省略します。