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しんかんかくはとコンミニズムぶんがく
新感覚派とコンミニズム文学
横光 利一
「新潮」1928(昭和3)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,057 字 · 8 页
此処でわれわれの完全に共通した問題は分裂する。
われわれは前に、その正邪に拘らず、資本主義を認め、社会主義を認めた。この相対立する二つの社会機構を認めたと云うことは、われわれが歴史を認めたと云うことに他ならない。しかしながら、われわれの今迄の文学に現れた歴史の認め方は、唯心論的な見方であったにすぎなかった。
もしわれわれが、歴史を認めたならば、資本主義を認めた如く、社会主義をも認めなければならぬ。もしわれわれがそうして社会主義を認めたならば、社会主義をかくも歴史の新しい事実として勢力付けた唯物論をも、認めなければならぬであろう。
しかしながら、われわれは、資本主義を認め、社会主義を認めたごとく、左様に唯心論を認め、唯物論を認めることは出来ないのだ。何故なら、われわれは最早やここに至ると、文学を論じているのではなくして、自個の世界の眺め方を論じているのだからである。われわれは個である以上、此の二つの唯心、唯物のいずれか一つをその認識力に従って、撰ばねばならぬ運命を持っている。
そこでわれわれは、唯心論を撰ぶべきか、唯物論を撰ぶべきかと云うことによって、われわれの世界の見方も変って来る。