轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
長谷川時雨『新編 近代美人伝 (下)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:市川九女八、江木欣々女史、遠藤(岩野)清子、大塚楠緒子、九条武子、朱絃舎浜子、田沢稲船、柳原燁子(白蓮)、モルガンお雪。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 页
当時の横浜は、金がうなるようにあったのだと見える。」
「貿易商が、儲かってしようがなかったのは、弗相場だったといいます。なんにしろ、十六の子に百円の小遣いをもたせて、東京へ遊びによこす――」
「百円? なんで――」
鼓村さんは信じられない顔つきだ。
「東京へ、とまりに来たことがあるのだそうで、四十日ばかり泊っていたのですが、なにしろ、山谷八百善という派手な家業の家ではあり、九代目団十郎のおかみさんは、八百善が実家になっているという親類たちなので、時代は、丁度、明治二十四、五年ごろでしたでしょうから、鹿鳴館時代の直後ですわねえ。でも、浜子さんはそういっていました。父は、あたしが、小遣いをどんなふうにつかうだろうと思っていたのだって。」
「何を買ったかなあ、刀? だが、子供では、他が買わせやしなかったろうが――え、なに、本?」
茶箱に何ばいかの書籍、それを担がせて、意気揚々とおちび少女は帰っていったのだ。
「親馬鹿は感心したろうがにえ。」
鼓村さんは自分も感心したように言った。
「島田に結ってたころ、髭が今に生えてくるでしょ、なんて、からかったけれど――そうそう、こんな話もありましたっけ、佐佐木信綱先生の所へいって、あたくしの友達の、こういう人を連れて来ますと言ったとき、その人ならば、思い違いをしたおかしい話があると、