轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしゃくしょこくばなし

新釈諸国噺

太宰 治

在线阅读太宰 治《新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,562 字 · 179 页

青空文庫

見せてやろうか。少しはお前たちのいましめになるかも知れねえ。」

「連れて行ってくれ。吉州にも逢いたい。」と吉郎兵衛は本音を吐いた。利左は薄気味悪い微笑を頬に浮べて、

「見たら、あいそが尽きるぜ。」と言い、蹌踉と居酒屋を出た。

谷中の秋の夕暮は淋しく、江戸とは名ばかり、このあたりは大竹藪風にざわつき、鶯ならぬむら雀の初音町のはずれ、薄暗くじめじめした露路を通り抜けて、額におしめの滴を受け、かぼちゃの蔓を跨ぎ越え、すえ葉も枯れて生垣に汚くへばりついている朝顔の実一つ一つ取り集めている婆の、この種を植えてまた来年のたのしみ、と来年どころか明日知れぬ八十あまりらしい見るかげも無き老躯を忘れて呟いている慾の深さに、三人は思わず顔を見合せて呆れ、利左ひとりは、何ともない顔をして小腰をかがめ、婆さま、その朝顔の実を一つ二つわしの家へもわけて下さいまし、何だか曇ってまいりましていけませぬ、など近所のよしみ、有合せのつらいお世辞を言い、陰干しの煙草をゆわえた細縄の下をくぐって突き当りのあばらやの、窓から四歳の男の子が、やあれ、ととさまが、ぜぜ持ってもどらしゃった、と叫ぶもふびん、三人の足は一様に立ちすくんだ。