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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
と繰返し繰返し書いてやったのである。返事は浩からすぐに来た。三間もある手紙をおらくは嬉し泣きに泣きながら読み終った。息子の親切な言葉が彼女の心を和げて、何も本を読んだりものを書いたりすることなら、おじいさんも、そんなに怒りなさらないでもよさそうなものだにと思った。彼女にとっては、息子が庸之助と親しくしているのは、後生のために大変好いことだとほか思えなかった。が若いうちから孝之進に絶対的な権利を認めているおらくは、「女には分らない男同志のこと」に口を出して何か云おうなどとは、さらさら思わなかった。ただ、一日も早く孝之進の怒りのとけるように、如来様にお縋り申すほかなかったのであった。それに、孝之進も帰って来てから、どうも工合がよくなくて、腰についたリョーマチだという痛みが次第に募って、朝起きたばかりには、サアといって立てないほどになった。物忘れも激しくなった。前にも増して陰気になって、一日中おらくにものを云わないことさえある。彼女は、おじいさんも信心がないからこうなのだと思って、折々は少しお説教でも伺ったらと勧めた。孝之進自身もこのごろのように心が淋しくて、苦しいことばかりあると、そう思わぬでもないが、どんなときにでもジッと歯を喰いしばって堪らえて来たのを、今更仏いじりで終ってしまいたくはなかった。