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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
幸田露伴『日本の文学 3 五重塔・運命』。同一底本的分册已合并为一书。收入:運命、風流仏。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 100,648 字 · 198 页
達人は 玄言に滞らんや。
苦節は 貞くす可からず、
玄言 豈其れ然らんや。
出ると処ると 固より定有り、
語るも黙するも 縁無きにあらず。
伯夷 量 何ぞ隘き、
宣尼 智 何ぞ円なる。
所以に 古 の君子、
命に安んずるを 乃ち賢と為す。
苦節は貞くす可からずの一句、易の爻辞の節の上六に、苦節、貞くすれば凶なり、とあるに本づくと雖も、口気おのずから是道衍の一家言なり。況んや易の貞凶の貞は、貞固の貞にあらずして、貞※の貞とするの説無きにあらざるをや。伯夷量何ぞ隘きというに至っては、古賢の言に拠ると雖も、聖の清なる者に対して、忌憚無きも亦甚しというべし。其の擬古の詩の一に曰く、
良辰 遇ひ難きを念ひて、
筵を開き 綺戸に当る。
会す 我が 同門の友、
言笑 一に何ぞ※ある。
素絃 清商を発し、
余響 樽爼を繞る。
緩舞 呉姫 出で、
軽謳 越女 来る。
但欲ふ 客の※酔せんことを、
籌 何ぞ肯て数へむ。
流年 ※馳を嘆く、
力有るも誰か得て阻めむ。
人生 須らく歓楽すべし、
長に辛苦せしむる勿れ。
擬古の詩、もとより直に抒情の作とす可からずと雖も、此是れ緇を披て香を焚く仏門の人の吟ならんや。其の北固山を経て賦せる懐古の詩というもの、今存するの詩集に見えずと雖も、僧宗一読して、此豈釈子の語ならんや、と曰いしという。