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いも

日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)

佐左木 俊郎

佐左木俊郎『日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:芋、黒い地帯、都会地図の膨脹。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,241 字 · 54 页

青空文庫

」

部落の百姓達は丘の上から見下して斯んな風に話し合った。そして笑った。

赭土の中に黒い地帯がひどく目立って来たのだった。額の両側から禿上って行く禿頭の、黒い髪が中央に残っている前額部の形だった。併しそれも長続きはしなかった。赭い触角は両側から次第に黒い地帯を抱込んで行った。そして二年の後には、黒い地帯を全くの浮島にして了った。

黒い浮島は、それと同時に、最早完全な水田ではなかった。水田には水田が続き湿地が続いて、温い水を保つためには相互扶助的な作用がなければならないのに、黒い浮島は例えば丘の上の耕地のようなものであった。雨が降り続けば沼になり、炎天が続くと、粘質壌土は荒壁のように亀裂が立った。雑草が蔓延った。その根がまた固くて容易に抜けなかった。そのために稲はひどく威勢を殺がれた。のみならず、開花期間もやっぱり煤煙が降り続いたので、風媒花の稲は滅茶滅茶だった。穂の長さは例年の三分の二ほどしかなかった。実のつきも無論悪かった。

「且那様。どう云うわけでごわすか、俺等の田は、今年は大へん出来が悪くて、小作米の半分も出来ねえのでごわすが、来春の春蚕が上るまで待って項くわけに行きしめえか?」