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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
葉山嘉樹『日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:浚渫船、乳色の靄、生爪を剥ぐ、労働者の居ない船、坑夫の子。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,935 字 · 73 页
「うまくやってやがらあ、奴あ、明日は俺達より十倍も元気にならあ」
「何でも構わねえ。たった一日俺もグッスリ眠りてえや」
彼等は足駄を履いて、木片に腰を下して、水の流れる手拭を頭に載せて、その上に帽子を被って、そして、団扇太鼓と同じ調子をとりながら、第三金時丸の厚い、腐った、面の皮を引ん剥いた。
錆のとれた後は、一人の水夫が、コールターと、セメントの混ぜ合せたのを塗って歩いた。
だが、何のために、デッキに手入れをするか?
デッキに手入れをするか? よりも、第三金時丸に最も大切なことは、そのサイドを修理することではなかったか。錨を巻き上げる時、彼女の梅毒にかかった鼻は、いつでも穴があくではないか。その穴には、亜鉛化軟膏に似たセメントが填められる。
だが、未だ重要なることはなかったか?
それは、飲料水タンクを修理することだ。
若し、彼女が、長い航海をしようとでも考えるなら、終いには、船員たちは塩水を飲まなければならない。
何故かって、タンクと海水との間の、彼女のボットムは、動脈硬化症にかかった患者のように、海水が飲料水の部分に浸透して来るからだった。だから長い間には、タンクの水は些も減らない代りに、塩水を飲まねばならなくなるんだ。