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にっき
日記
宮本 百合子
05 一九一九年(大正八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,192 字 · 7 页
十二月十三日
船が揺れて、苦しい、さむしい気分に成って居るものに向って、平気でほこらしそうな事を云うのも不自覚な自尊心、
十二月十三日
船の中での生活が続くに連れて、Aを持たない自分の生活の淋しさを痛切に思わずには居られない。
真個に半身を持たない淋しさである。私と一緒にいつも歩いてくれ、話してくれ、心持の交通を楽しむ者は、何処にも居ないではないか。
半身のない淋しさ、その淋しさ、
十二月十三日
ダンスがある。
船は十二月の北海の波の上に揺れて居る上に、美くしく□った人々が楽しげにおどって居る。
が、淋しい、浮いたものの上に楽しげにして居てあれ等は互にどんな張合を持って居るのか
私がアメリカ帰りで生意気だと云う事を云うものがあるそうだ。
それは、私は欠点も持って居るだろう
然し何故そのよい心のままを持ってくれないのか。
各自の生活は違う、
自分の、生活の感情の上かわをさすって行く生活に感じる悲しみを理会してくれる者は此の一舟の中に幾人居るのか、高木さんはすきだ。が、彼も彼の生活を生活して行くのだ。孤独な心持がする。独りなのだ。自分の悲しむ心を、無言のうちに解って感じてくれる者をプレシアスに思わずには居られない。