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あすのちせい
明日の知性
宮本 百合子
「女性改造」1947(昭和22)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,225 字 · 13 页
を報道した。「ポーランドに生れ、フランスに眠るわが母マリー・スマロドオスカ・キュリー」という献辞のついたこの旅行記は、日本語に翻訳されている部分だけでも、ふかい感興をうごかされ、エヴの公平な理解力と人間としての善意にうたれる。
エリカ・マンの各国巡業、エヴの戦時中の旅行。それらはどれもすべて、民主主義と、平和と、民族自立のための旅行であった。侵略に抗する世界の善意としての旅行者であった。
東京裁判のラジオをきいている私たちの心の苦痛はいかばかりであろう。私たちは、世界の女性に向って叫びたいとおもわないだろうか。私たち日本人がすべてこういう兇暴な本性をもっているとはおもわないでください! と。日本にあふれている寡婦の涙をおもってください! と。けれども、同時に私たちは、身の毛のよだつおもいで省みずにいられないとおもう。日本の半封建の権力は、なんと文化そのものを美しさにおいて無力な、血なまぐさいものにしていたのだろうか、と。
日本の婦人作家が幾人か、戦時中、海をわたって、彼女たちにとってはじめての海外旅行をし、他国の人々に接触した。そのとき、それらの人々のおかれた役割はなんであったろう。