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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
もしもイナズマがそのとき庭を照らさなければ、彼の計画はシッポを出さなかったかも知れません。井戸にあるべき屍体がないとだけでは、誰しも三枝子さん自らの偽装であり失踪であると考えます。彼はそれに自信があったのでしょう。わざと泥の足跡を目立たせ、自分一人らしく見せかけて実は二人を暗示し、メガネまで利用して時田さんの容疑を深める方法をとりました。それはユスリに有利のためであり、イナズマを忘れていたためでもあり、要するに彼の恐るべき悪度胸を物語っていますよ」
それが新十郎の推理であった。
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海舟の前にかしこまった虎之介は、今度という今度は特別であったらしく、新十郎の推理を語ったあとでわざと神妙に、
「由也が時田をゆすッた点など相似ておりますが内実は雲泥の差で。ハ。恐れながら、御前の推理が似ていましたのは由也が恐るべき悪度胸であるという一言のみでございましたな。信心深い小娘が悪度胸にゾッコン参るものだなどとはこれも真ッ赤なイツワリ」
今度という今度ばかりは新十郎が現場も見ずに話をきいただけのズバリであるから、虎之介もキモに銘じるところがあったらしい。