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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
13 その十二 愚妖
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,839 字 · 55 页
オタツは散々油をしぼられた。オタツはその後イヤガラセをしなくなったが、足の怪我が治ったカモ七が執念深い。クサレ目が炭焼に山へ行くと、身をかわしようもない細い崖を大石がころがり上からマッシグラに落ちてきたり、頭上の密林から石が落ちたり、生きた心持もない。一度は崖を這うツルにすがりついて一歩あやまれば谷へ落ちる危いツナ渡りをして一命を拾ったこともあった。そこで、また駐在所へ泣きついたが、菅谷もその執念深さに呆れ果てたとはいえ、考えて見れば自分のやり方もまずかった。オタツの剣幕がひどいので一方的にオタツを叱ったが、元来カモ七は肥をあびた上に膝小僧をどうかして数日寝こんでいるのだ。
そこで改めてクサレ目にも注意を与え、カモ七が寝こんだほどだから、何か詫びのシルシに品物を贈って見舞わせ、それで手を打たせたことがあったのである。
これを思いだしているうちに、菅谷はハッと気がついた。これは、どうも、くさいぞ。オタツとカモ七の執念深さというものは大変なものだ。クサレ目にイヤガラセをした時だって、いつも石が的を外れたからよいが、命中すれば人を殺していたのだ。
ガマ六と雨坊主がオタツやカモ七に憎まれ殺される理由があるかどうか調べたことはないが、何か理由があれば、これはテッキリ奴らが犯人だ。