轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
07 その六 血を見る真珠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页
日を重ねるに従って、上質で大粒の真珠がその数を増していた。こんな光沢の良い大粒のものが一ツでも自分に廻ればと思うような物が、忽ち全員に二ツも三ツも廻るような目ざましい収穫であるから、船員たちの潜水夫に対する態度にも多少改まったものが感じられるように思われた。
四十五日目のことであった。その化け物の如くに巨大な黒蝶貝を採ってきたのは清松であった。翌早朝、先ず畑中はその貝をとりあげて一同に示した。
「黒蝶貝の主だぜ。得てして、こういう怪物は神様の御神体と同じように、カラでなければ、とんだ下手物しか出ないものだて」
今迄の例がそうだった。しかし畑中は殻をさいて外套膜に手をふれると、にわかに緊張して、不思議そうに一同を見廻した。
「ハテナ。こんなところに大きなコブが。まさかに、これが……」
彼はナイフをとりあげて、注意深く肉をそいで行った。やがて指をさしこんだ彼は、まるで泥棒と組打でもするかのように、口を結んで顔をゆがめた。彼の指がつまみだしてきたものは、黒色サンゼンたる正円形の大真珠。なんという大きさだろう。今まで採った最大のものを五ツ合せても足りないほどの大きさである。