轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
07 その六 血を見る真珠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页
実に三百グレーンの世界に無二の黒色大真珠であった。
清松はその真珠を借りうけて、眺め入った。黒蝶貝といっても、主として中から現れるのは銀白色の真珠で、黒色の物が現れたのは始めてだった。なんという光沢だろう。あの月輪のような光沢の輪が、黒く冷めたく無限の円形を描いて人の心を冷めたく珠の中へ吸いこんで行く。その珠はやや大型のラムネ玉ほどの物ではあるが、その奥の深さは無限なのだ。宇宙と同じ深さが有るとしか思われない。
「怪物のような老貝には、さすがにこんな宝石があるのだなア。せっかくオレの手で貝を採りながら、この宝石が自分の物にならないのだなア」
その日から、海底へ潜る清松の気魄が違った。彼が宝石を選ぶ順は三番目だ。同じような宝石をもう二ツ採れば一ツは自分の物になるのだ。ようし、必ず探してみせる。それは不可能なことではない筈だった。尚海底は無限の老貝を蔵しているのだ。
彼は必死に老貝を探した。怪物中の怪物を物色して、一時も長く水中を歩きたいと念じつづけた。それから四十五日たった。二度目の四十五日。それは不思議な暗合だった。彼は白蝶貝の未だ曾て見ぬ巨大なものを見出したのである。