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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
07 その六 血を見る真珠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页
「いいかい。オレがこう横の方から見ているから、順番の者から白布の向う正面に坐って、皆にハッキリ見せながらピンセットで一ツだけ真珠をとるのだ。選ぶ時には手をだしたり、手にとり上げてはいけないぜ。ピンセットで一度つまんで手にとったものは、後に気に入らねえと云っても取り替えはきかないよ。目で選ぶのは自由だから、ぬかりなくやりなよ」
彼は言葉をきって、改まり、
「さて、船長代理だから、オレが一番目だ。二番目は死んだ八十吉に代って女房キン。その後はかねての順番通りだぜ。オレの作法をよく見て、同じようにやるのだぜ」
と、一同の正面にまわって白布に向って坐る。盆から二尺ぐらい離れている。両手をピタリと膝につけ、首だけ突き延して仔細に盆の上を睨んだあげく、膝の前のピンセットをとって真珠を一ツつまんだ。
次がキン、清松、竹造の順だが、清松は腕が痺れているからトクが代る。一順すると、再び同じ順にくりかえして、二十順ちかく、事故なく真珠の分配を終った。
悶着は大和が船長代理として船長室へ部屋替えしようとしたことから起った。
真ッ先に反対したのは、意外にも金太であった。このウスノロのどこから出たかと思われる強情な嗄れ声で、