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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
06 その五 万引家族
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,970 字 · 48 页
三年前までは盆になると戻ってきて景気の良さそうなことをいっていましたが、店を潰してからは手紙一本よこしません。恥サラシをやらなきゃよいがと心配しているのです」
「年はいくつだね」
「今年は四十になりやがった筈です。女房子供五人家族ですから、妻子が哀れですよ。女房はこの村からでた女ですが、わりとシッカリ者で、なんでも貧民窟のようなところで内職して子供だけは育てているそうですが、こまったものです」
「すると離縁したのかね」
「いゝえ。時々金をせびりに行きやがるそうで、十銭二十銭の血と汗の銭をせびって消えて行きやがるそうです」
女房の実家できいてみても同じ程度のことしか分らなかった。
植木屋の行方の方は、さらに雲をつかむようなものである。彼の生れは秋田であった。三人はそういう遠路まで出向いたのである。彼の故郷の家人は頭をかいて、
「どうも、あの野郎の行方は全くわかりません。元はここの殿様のお屋敷の植木職の親方のところへ十三の時から住みこんだのですが、二十一二のころ、浅虫様へ親方からの紹介で住みかえたのです。五六年つとめましたかね。別に女房をもらったような話もききません。