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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

08 その七 石の下

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页

青空文庫

志呂足の奴め。するてえと石の下を見破ったのはオレに限ったことじゃアない。オレは津右衛門の指す盤面から見破ったが、志呂足はほかの筋からたぐりやがったのだろう。だが、待てよ。奴メが知っているなら、今ごろは石の下を掘り当てているはずだな。するてえと志呂足は山の神までたぐりよせたが、石の下とは知らねえな。

その翌日、甚八は何食わぬ顔、鳥居をくぐってタナグ山へふみこんだ。見たところすぐ頂上へ登れそうな低い山だが、どう致しまして。第一、道はたちまち消えてなくなる。谷川づたいに登ると、両側は絶壁になって、とても、よじ登れやしない。森の中へふみこむと、視界がきかなくなって、辛うじて登りつめたところはようやく中腹。おまけに本当の頂上がどっちにあるかハッキリしないし、うっかり進むと下山の道に迷う危険がある。

「さすがに一筋縄じゃアいかねえや。そうだろうなア。大八車に何台という財宝を隠すからには、いかに神田の甚八の眼力といえども、易々見破れるものじゃアない。山てえものはバカにならねえものだなア。アタゴ山とはだいぶ違わア。だがナ。神田の甚八を見損っちゃアいけねえぜ。オレが十日もコンをつめりゃア、江戸城だって築いてみせらア。