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ほしのこ

星の子

小川 未明

「婦人公論」1923(大正12)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,212 字 · 11 页

青空文庫

そして、そのまわりに花の咲く木や、いろいろの草花を植えました。けれど、これだけでは、かぎりない思いやりに対して、その幾分をも消すことができなかったのです。

寒い風の吹く、暗い夜に、女は、いまごろ、子供は墓の下で目を覚まして、どんなにさびしがっているだろうかと思うと、泣かずにはいられませんでした。

すると、男はいいました。

「なんで、あの凍った冷たい地の下などにいるものか。いまごろは、神さまにつれられて天国へいって遊んでいる。」といいました。

「そうでしょうか?」

「そうとも、天国へいって遊んでいるよ。」と、男は答えました。

「そんなに、遠い、高いところへならいかれませんけれど、もし歩いていけるところなら、幾千里、遠い、遠く国のどんなさびしい野原でも、子供がいることなら探していきますのに……。」と、女はいって、泣きつづけました。

二人は、もう、ただ子供の死んでいってからのしあわせを、いまでは、思うよりほかに途はなかったのであります。

そのとき、ちょうど、過去、現在、未来、なんでも聞いてわからないことはないという占い者がありました。

女は、さっそくその占い者のところへいって、自分の死んだ子供のことをば見てもらいました。