轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいざ
星座
有島 武郎
1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页
その時頭のすぐ上で突然音がした。ちょっと驚いて見上げてみると玄関のつきあたりの少しすすけた白壁に、金縁の大きな丸時計がかかっていて、その金色の針がちょうど九時を指していた。玄関に時計をおくとは変な贅沢をしたもんだなあと思いながら、渡瀬はまじまじと大ぎょうな金色に輝くその懸時計を見守って値ぶみをしていた。
間もなく新井田氏が奥さんにつきまとわれるようにして出てきた。渡瀬が夕食の馳走になった部屋のドアが開けぱなしにしてあるので、生暖かい空気とともに、今まで女がいたらしいなまめかしい匂いが、遠慮なく寒い玄関の空気の中に漂いでてきた。
「どうもお待たせしてすみませんでした」
新井田氏の口調は、第三者の前でいつでも新井田氏が渡瀬に対してみせるあの尊大で同時に慇懃な調子になっていた。
「今月の何んです、今月のお礼ですが、都合がいいから今夜お渡ししておきます。で、と、明日はおいでのない日でしたな。ところが明後日は私ちょっとはずせない用があるんですが、どうでしょう明日に繰り上げていただいちゃ、おさしさわりになりますか」
「ははん、活動写真は明日から廃業だな。先生ウ※スキーで夢中になっているな。