轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

袴ではないばか馬だと西山がいったのを、清逸は思いだしたのだ。

隣のドアがけたたましく開いたと思うと清逸のドアがノックされた。

「星野、今日はどうだ。まだ起きられんのか」

そう廊下から不必要に大きな声を立てたのは西山だった。清逸は聞こえる聞こえないもかまわずに、障子を見守ったまま「うん」と答えただけだった。朝から熱があるらしい、気分はどうしても引き立たなかった。その上清逸にはよく考えてみねばならぬことが多かった。

けれども西山たちの足音が玄関の方に遠ざかろうとすると、清逸は浅い物足らなさを覚えた。それは清逸には奇怪にさえ思われることだった。で、自分を強いるようにその物足らない気分を打ち消すために、先ほどから明るい障子に羽根を休めている蝿に強く視線を集めようとした。その瞬間にしかし清逸は西山を呼びとめなければならない用事を思いついた。それは西山を呼びとめなければならないほどの用事であったのだろうか。とにかく清逸は大きな声で西山を呼んでしまった。彼は自分の喉から老人のようにしわがれた虚ろな声の放たれるのを苦々しく聞いた。

「さあ園の奴まだいたかな」

そう西山は大きな声で独語しながら、けたたましい音をたてて階子段を昇るけはいがしたが、またころがり落ちるように二階から降りてきた。