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さっこんのわだいを

昨今の話題を

宮本 百合子

「社会評論」1935(昭和10)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,864 字 · 15 页

青空文庫

か茶気満々な文体で「たしかに女は家庭の女王である。さればこそ」「女王は女王らしく泰然として一家に君臨し、悠然として(主人とか子供とかいう家庭の人民階級に)奉仕されているのこそ身分柄定められた掟でもあり云々」と「繊手に爆弾をとりあげては見たものの」投げる対手はないことになって「時津風枝も鳴らさぬ平和主義」の主観的女権尊崇の栄光を讚していられる。

私が感想を刺戟されたのは、この文章で山川菊栄ともある婦人が、問題を個人的な自分を中心としての身辺観察の中にだけ畳みこんでみずから怪しまれない点であった。柳原※(「火+華」、第3水準1-87-62)子氏の玉の井ハイキング記に連関してその文章が私の心に浮ぶのも、社会の現実を見る見かたに二人共通な個人的な、どちらかというと自足的な匂いが強くあるからであろうと思われる。

柳原※(「火+華」、第3水準1-87-62)子氏は何のために伊藤伝右衛門の赤銅御殿をすてたのであったろうか。歌集『几帳のかげ』に盛られた女の憤りはどういうものであったのであろうか。宮崎龍介の妻として納り、今日その日その日をどうやら外見上平穏に過しておられるようになってしまえば、愛のない性的交渉を強制される点では伝ネムの妻であった彼女の場合より比較にならぬ惨苦につき入れられている貧困な、無力無智な女の群に対し