轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうわのじゅうよねんかん

昭和の十四年間

宮本 百合子

「日本文学入門」日本評論社、1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,356 字 · 69 页

青空文庫

て、極めて注目を惹かれる。

「生活の探求」に描き出されている世界の現実は、駿介が学生生活をやめて田舎へかえるという作者によって設定された条件そのものからして、何もわれわれに理想や主張の具体的なものは与えない。もし知識人の苦悩といい、批判というのならば、帰る田舎や耕す田地は持たないで、終生知識人としての環境にあってその中でなにかの成長を遂げようとする努力の意図がとりあげられなければなるまい。駿介に還る田舎を設定しなければこの小説全篇が成り立たないことや、そのような形で簡単に思惟と行為とを対立させて、云わば仮定から一つの実験を展開させているところは、文学作品としての被いがたい弱さであると思わざるを得ない。理想を持とうとしているのだという押し出し、主張を見出そうとしているのだという身振りに打ちこめられている作者の執着と熱心が駿介を中心として全篇に漲っているが、それは一つの精神の形式に過ぎないものであるから、生活の細部の行動では日常の卑近なあれこれに主観的な誇張された感慨をうちかけて行かざるを得ない。観念形式の嵩だかさと日常の卑近さの間にあるこの分裂は、ある理想の日常性への具体化ということとは全く違う本質である。