轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

岡本綺堂『時代推理小説 半七捕物帳(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳、半七捕物帳。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 页

青空文庫

大通りへ出ると、百人町の武家屋敷は青葉の下に沈んで、初夏の昼は眠ったように静かである。渋谷から青山の空へかけて時鳥が啼いて通った。

半七は時々うしろを見かえりながら善光寺門前へさしかかると、源次は怱々に仕事を片付けたと見えて、やがて後から追って来た。半七は彼を頤で招いて、善光寺の仁王門をくぐろうとしたが、また俄かに立ちどまった。青山善光寺の仁王尊は昔から有名で、その前には大きい草鞋や下駄がたくさんに供えてある。奉納の大きい石の香炉もある。その香炉に線香をそなえて、一心に拝んでいる若い男の姿に、半七は眼をつけた。

彼はまだ十八九の色白の男で、髪の結い方といい、それが役者であることは一見して知られた。彼はしゃがんで俯向いて拝んでいた。その格好が彼の和藤内の虎狩に働いていた虎によく似ているのを、半七は見逃がさなかった。あたかもそこへ十三四の小娘が二人連れで通りかかった。

「あら、あすこに照之助が拝んでいてよ」

娘たちは若い役者を幾たびか見返りながら行き過ぎるのを、半七は追いかけて小声で訊いた。

「あの役者はなんというのです」

「市川照之助……。浅川の小屋に出ているのです」