轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じげんばくだんきたん
時限爆弾奇譚
海野 十三
――金博士シリーズ・8――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,934 字 · 20 页
思い出したぞ。あのドルセット侯爵夫人は、今はこの世に居ないぞ」
「えっ、侯爵夫人は亡くなられたのでございますか。するとかの時限爆弾が早期に爆裂いたしまして……」
「ちがうよ。爆弾の時限性については、あくまで正確なることを保証する。侯爵夫人は爆死せられたのではなく、アフリカ探検中、蟒に呑まれてしまって、悲惨な最期を遂げられたのじゃ」
「あれっ、蟒に呑まれて……」
秘書は、ぎょっとして、金博士の皿にのっている燻製の胴切り蟒に目を走らせた。肉は、まだほんのちょっぴり博士の口に入ったばかりであったが、その切り取った腹腔のところから、なにやら異様に燦然たる黄金色のものが光ってみえるではないか。それを見た瞬間、秘書は蟒が腹の中に金の入れ歯をしているのかと思ったが、次の瞬間、彼の脳髄の中に電光の如きものが一閃して、途端に驚天動地的真相を悟った。そこで彼は、きゃっと一声、悲鳴をそこに残すと、気が変になったように室外に飛び出し、階段を三段ずつ一ぺんに駈けあがりつつ一米でも遠くへ遁がれようと努力した。
「なんじゃ、秘書のやつ、急に周章てくさって……」
といいながら、博士が蟒の肉にフォークをぐさりと立てると、肉の間からにゅっと黄金のコンパクトが滑り出した。