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そがのあばれんぼう
曽我の暴れん坊
「キング 第三〇巻第六号」1954(昭和29)年5月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,123 字 · 19 页
特に力になってくれる親類はと云えば、二人の姉が二宮太郎と結婚している。また叔母が三浦義澄と結婚している。その娘、つまり従妹が平六兵衛と結婚している。これらはいずれも親身に力になってくれる人たちだ。
ところが十郎は学問のタシナミも深く、まことに品のよい好男子で、非常に女に好かれる。当時は豪傑万能、豪傑だらけの時代であるから、女の子が豪傑に食傷しているせいか、どこへ行っても十郎は大もて。その上、彼は少年時代から風情を解し人情風流をたしなむ素質があって、とかく事が起きがちだ。
たとえば平六兵衛の女房は十郎と一しょに育った従妹だが、その時分からもう関係ができていた。そうとは知らない平六が結婚を申しこみ、また曾我の太郎も気がつかないから、この結婚に許しを与える。女の方はおどろいた。まさか十郎は黙っていまい、親に打ちあけて何とかしてくれるだろうと思っていたのに、何もしない。ひそかに十郎に文をやってサイソクしたのに、返事もよこさず、あくまで知らんフリをしているので、泣く泣く平六と結婚したのである。結婚してからも、あなたのところへ逃げて行きたいという手紙をだしたが、これにも返事がこなかった。