轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ありしまたけおのしによせて

有島武郎の死によせて

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,052 字 · 7 页

青空文庫

芸術家の緊張、その弛緩の深さを知って居る自分は、大きい引潮の力を感じられる。

恋愛に面し、人によって、そとから、人生の明るい半面のみを感じ得る者、又消極のみを感じ得る者、消極を先ず見、後、そこを通して奇異な光明を認める者、等の差、類があるのではあるまいか。

彼の恋愛は、始めのものから、所謂不幸なものであったように思う。彼はその不幸のそこから、人生に徹し得ると云う求道的の歓によって光明を得て来た。

今度の恋愛は、彼の大きい一生上の一つの引潮に際し、不幸は以前に倍して大きいとなれば、常識の云う最大の不幸、「死」をとおして光明を感じたことを、認めない訳には行かない。

彼の死を、長谷川如是閑のように、理智と本能の争いの結果とも見得るし、内的の力の消長の潮流の工合とも見られるのだ。

自分にとって、波多野氏の方から誘惑したとかどうとか云うことは窮極の問題ではない。誘惑と云うものは、あって無いものだ。誘惑される主体さえ無ければ。

どっちが先に死の問題を持ち出したか、と云うことは、前の問題よりは重大だ。が、これとてもつきつめれば、何でもない。生活力の旺盛なものに、誰が死の話を持ちかける!