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「みぼうじんのしゅき」せんごひょう
「未亡人の手記」選後評
宮本 百合子
「婦人公論」1950(昭和25)年1~4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,472 字 · 7 页
そして三篇をえらび出した。
どの文章も深く考えさせる。女性が先ず社会に自主的に生きてゆける一人の市民であるよりもさきに、嫁、妻、母といういわゆる「家族の人」としてばかり育てられてきて、その家庭があらあらしい権力でこわされたとき、女性の、したがってその子供たちのおちいる谷間の嶮しさ。そして寒さ。世界にはこんにち七億人の人々が平和のために団結している。世界民主婦人連盟は七千万の婦人の組織で、ファシズムと侵略的な戦争で犠牲となった世界各国の婦人たちが、熱烈に平和と社会生活の確立、児童の保護、民族の自立のために働いている。十二月には新しい中華人民共和国の北京で、アジアの平和のために婦人大会がもたれ、そこへ日本からの代表もゆこう。
村松章子さんの「黙殺された女達」、高橋春子さんの「コスモスの花にゆれる秋」、矢倉ふき代さんの「夫は星をほしがらなかった」の三つの文章にあふれている苦痛と、理性、勇気などは、その人々にそうと自覚されている程度は浅いにしろ、何と、この世界の女性の動きに通じたものだろう。
苦しみの窓々よ、ひらけ。そして、その苦しみを解決しようとして働いている世界の善意と努力とが、わたしたちみんなの日常のものとなるように。