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ザボンのはなのさくころ
杉田久女随筆集
杉田 久女
杉田久女『杉田久女随筆集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:朱欒の花のさく頃、大正女流俳句の近代的特色、英彦山に登る。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,008 字 · 31 页
(ロ)雪道や降誕祭の窓明り 久女
(ハ)水汲女に門坂急な避暑館 同
(イ)、新年宴会か何ぞの光景で、大花瓶を前の知事夫人を中心に笑いさざめく福引の興。
(ロ)はクリスマスの光景で、空にはナザレの夜の如く星が輝き会堂の明りが雪道にうつりそりは鈴を鳴らして通る。かかる写実は確かに昔にない異国情趣である。(ハ)は山荘がかった避暑館へ傭われた水汲女が急な門坂を汗しつつ、にない登る有様と階級意識。
松の間の冬日にとまる電車かな かな女
ストーブや棕櫚竹客の椅子にふれ みどり
風景にさえ西欧趣味は浸みわたっている。絨毯をしきつめた応接間。赤くもゆる暖炉。飾鉢の棕櫚竹にふれる椅子の主客とモダンな談話に打興じる。
種痘人の椅子をすべりし羽織かな 静廼
スイートピー蔓のばしたる置時計 かな女
等、椅子置時計の如き家具から草花、降誕祭、避暑の如き年中行事、種痘の如き、いずれも文化生活の背景をもった近代写生であるところに力強さがある。試みに左句を見よ。
旅駕にまむきにくるや麦埃り 多代
は広重風の街道をふりわけ荷を肩にし、或は駕で道中した頃の光景で、電車自動車と隔世の感がある。