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かきのきのあるいえ

柿の木のある家

壺井 栄

「柿の木のある家」山の木書店、1949(昭和24)年4月20日<br>「海のたましひ」大日本雄辯會講談社、1944(昭和19)年6月14日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,460 字 · 32 页

青空文庫

これは赤ちゃんのお祝いにあげるの。でないと、だんだん大きくなって、一つのおふとんにねられなくなるじゃないの。」

三太郎おばさんにとりなされて、洋一はやっと安心したのですが、しかし、ゆだんをすると、三太郎おじさんは、洋一のるすのまに赤ん坊をつれてゆきそうに思えてなりませんでした。それよりも、もっと心配なことは、おじさんがつれてゆかなくても、新之助はおじさんとこへ、くれてやられそうな気がしてならないのです。日が立つにつれて、その心配はこくなりました。いつか、「どうせツネ子はもう子供もできないらしいから、一人はやらにゃなるまい」といったおばあさんの言葉を考えても、それから、まだ何にもいいはしないけれど、お母さんの顔つきをみても、なにかしら、大人たちのあいだには、洋一の知らないうちに、そんな約束が出来ていそうな気がするのです。それはもう、赤ん坊の生れた次の日あたりから、そんなけはいがしていました。それに、新之助という名前をつけたのも、三太郎おじさんなのです。ふしぎなめぐり合せで、赤ん坊の誕生日は、おじいさんの命日と同じ日だったので、新造というおじいさんの名前から一字をもらいました。