轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
「福岡日日新聞」1934(昭和9)年4月14日~5月31日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,582 字 · 130 页
但し筆者は幼少であった故か、こうした体刑を受けた事は極めて稀であった代りに、「ソラソラ……又……又ッ」という大喝の下に遣り直させられた事が、大人よりも多かったように思う。
中の舞の初段の左右の型のところで気が掛からないと云って十遍ばかり遣り直させられてスッカリ涙ぐんだあとで、利彦氏が同じ稽古(男舞)で又やり直し十数回の後、とうとう突飛ばされてしまったのを見て、「出来ないのは自分ばかりじゃないな」と窃に得意になった事もある。
翁の晩年の弟子の中で最も嘱望されていたのは斎田惟成氏であった。この人の稽古振りや能の舞いぶりを筆者は在京中であったために、あまり見ていなかったが、よほど烈しいものがあったと伝え聞いている。
やはり五十近かった氏に、口の開き方が悪いと云って張扇を突込んだり、「首が縮む、シャンとせよ」と云って張扇で鼻の下からハネ上げて鼻血を出させたりしたという話である。しかもそれが冬の極寒の時であったというから随分辛かったであろう。むろんその鼻血ぐらいの事で稽古中止にはならない。斎田氏は襟元を血だらけにしたまま舞い続けたという。
◇