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えどかとうきょうか

梵雲庵雑話

淡島 寒月

淡島寒月『梵雲庵雑話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:江戸か東京か、明治十年前後、銀座は昔からハイカラな所、寺内の奇人団、亡び行く江戸趣味、土俗玩具の話、活動写真、梵雲庵漫録、諸国の玩具、我が宗教観、凧の話。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 页

青空文庫

人間そのものを書いたからである。ただ人間そのものを書いたきりで、何とも決めていないところに西鶴の妙味がある。これは俳諧の力から来たものである。

私は福沢先生によって新らしい文明を知り、京伝から骨董のテエストを得、西鶴によって人間を知ることが出来た。いま一つは一休禅師の『一休骸骨』『一休草紙』などによって、宗教を知り始めたことである。そして無宗教を知り――無というよりも空、即ち昨日は無、明日は空、ただ現在に生き、趣味に生きる者である――故にバラモン教からも、マホメット教からも、何からも同一の感じをもつことが出来るようになった。

私は江戸の追憶者として見られているが、私は江戸の改革を経て来た時代に生きて来た者である。新しくなって行きつつあった日本文明の中で生きて来た者であって、西欧の文明に対して、打ち克ち難い憧憬をもっていた者である。私は実に、漢文よりはさきに横文字を習った。実はごく若い頃は、あちらの文明に憧れたあまり、アメリカへ帰化したいと願っていたことがある。アメリカへ行くと、日本のことを皆から聞かれるだろうと思ったものだ。そこで、実は日本のことを研究し出したのである。