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えどかとうきょうか
梵雲庵雑話
淡島 寒月
淡島寒月『梵雲庵雑話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:江戸か東京か、明治十年前後、銀座は昔からハイカラな所、寺内の奇人団、亡び行く江戸趣味、土俗玩具の話、活動写真、梵雲庵漫録、諸国の玩具、我が宗教観、凧の話。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 页
半身肌脱ぎになって首から上へ真白に白粉を塗って、銭湯の柘榴口に見立てた板に、柄のついたのを前に立て、中でお湯を使ったり、子供の人形を洗ってやったりするところを見せたものなぞがあったものである。
三
私の生れた馬喰町の一丁目から四丁目までの道の両側は、夜になるといつも夜店が一杯に並んだものだった。その頃は幕府瓦解の頃だったから、八万騎をもって誇っていた旗本や、御家人が、一時に微禄して生活の資に困ったのが、道具なぞを持出して夜店商人になったり、従って芝居なぞも火の消えたようなので、役者の中にはこれも困って夜店を出す者がある位で、実に賑やかなものだったが、それらの夜店商人が使う蝋燭は、主に柳橋の薩摩蝋燭といって、今でも安いものを駄蝋という位、酷いものだが、それを売りに来る男で歌吉というのがあった。これがまた、天性の美音で「蝋燭で御座いかな」と踊るような身ぶりをして売って歩いたが、馬喰町の夜店が寂れると同時に、鳥羽絵の升落しの風をして、大きな拵らえ物の鼠を持って、好く往来で芸をして銭を貰っていたのを覚えている。美音で思い出したが、十軒店にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも美い声で淫猥な唄ばかり歌って、好く稲荷鮨を売りに来たものだった。