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えどかとうきょうか
梵雲庵雑話
淡島 寒月
淡島寒月『梵雲庵雑話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:江戸か東京か、明治十年前後、銀座は昔からハイカラな所、寺内の奇人団、亡び行く江戸趣味、土俗玩具の話、活動写真、梵雲庵漫録、諸国の玩具、我が宗教観、凧の話。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 页
四
明治も十年頃になると物売りもまた変って来て、隊長の鳥売りなぞといって、金モールをつけた怪しげな大礼服を着て、一々言立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい杵で臼を搗いて、カチカチと拍子を取るものが現われた。また、それから少し下っては、落語家のへらへらの万橘が、一時盛んな人気だった頃に、神田台所町の井戸の傍だったかに、へらへら焼一名万橘焼というものを売り出したものがいて、これが大層好く売れたものであったそうだ。
昔のことをいえば限りがないが、物価も今より安かっただけ、いろいろ馬鹿げた事を考え出す者が多かった故か、物売りにまで随分変ったものがあった。とにかくその頃の女の髪結銭が、島田でも丸髷でも百文(今の一銭に当る)で、柳橋のおもとといえば女髪結の中でも一といわれた上手だったが、それですら髪結銭は二百文しか取らなかった。今から思えば殆んど夢のような気がする。忙しく余裕のない現代に生活している若い人たちが聞いたら、そこには昼と夜ほどの懸隔を見出す事であろうと思われる位だった。
(大正十二年四月『七星』第一号)
五