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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

橘外男『橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ウニデス潮流の彼方、グリュックスブルグ王室異聞、ナリン殿下への回想。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 页

青空文庫

近付いてくる陸地を肴に、甲板上にはたちまちあちらにもこちらにも、歓談、笑声が渦を巻いて、ピッケルン島南方で英艦の襲撃を受けて以来、幾十日ぶりで、こんな喜びに触れたことであったろうか。

我々も艦橋で、水雷長のスティンゲル大尉、主計長のクルーゲル主計中尉、軍医長のリンデンベルゲル軍医大尉らと冷肉を肴に麦酒の満を引きつつ小宴を張ったが、さて水雷長所持の海図でいくら調べてみても、これらの島々や陸地が、一体どの辺の位置に当り、何という所なのか、それが一切わからないのであった。わからないのではない。海図は、ウニデス潮流もろとも、このあたりの記載というものを、もはやまったく欠いているのであった、すなわち人類にとっては未だまったく地球上未知の領域ということになっているのであった。したがって今目前に眺めている陸地も、さっきからそれを眺めて過ぎ去りつつあった幾多の島々も、一体我々が新発見をした陸地なのか、それともすでにどこかの国の領土として帰属している陸地だったのか、その辺の事情が一切雲を掴むように頼りないものなのであった。我々の懸念は、まず第一に、もし、これが今戦時交戦中の敵国側に属する領土であって、住民が我々に敵対行為を示してきたならば四十人足らずの小人数をもって、いかに処置したならばいいか? というところにあったが、