轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

03 第三部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,781 字 · 235 页

青空文庫

」

お婆さんにそう言って、老人が三人をつれ出したのは、ちょうど十時頃だった。三人はいつものようにお礼の金を置くことも忘れてしまい、渡された竹の皮包みの弁当をぶらさげて、老人のあとについた。

老人の足は矍鑠たるものだったが、それでも三人の足にくらべるとさすがにのろかった。しかし、滝までは三十分とはかからなかった。滝は、老人がみちみち自慢したとおり、世に知られないわりには頗る豪壮なもので、幅数間の、二尺ほどの深さの水が、十丈もあろうかと思われるほどの断崖を、あちらこちらに大しぶきをあげて落下していた。滝壺に虹があらわれ、岩角の氷柱がさまざまな色に光っていたのが、いよいよ眺めを荘厳にした。名を半田の滝というのだった。

寒さも忘れて三十分ほども滝を眺めたあと、三人が老人にわかれを告げると、老人は、懐からさっき書いたらしい手紙を出して、

「たいがいにして日田まで下るんじゃ。日田に行ったら、この宛名の人をたずねて行けばええ。中にくわしく書いておいたでな。」

と、それを大沢にわたした。大沢は、手紙を押しいただいたまま、いつものとおりには言葉がすらすらと出なかったらしく、何かしきりにどもっていた。