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さつじんめいろ
殺人迷路
甲賀 三郎
10 (連作探偵小説第十回)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,806 字 · 14 页
あなた方にこんな話をした事が知れたら、私は立所に殺されて終います」
「誰ですか。その恐ろしい男と云うのは」
「山川です、牧太郎です――ああ、私こんな事を云って終っていいのかしら。ああ、恐ろしい。アレッ、そ、そこに誰だか、い、いますよッ」
村井と津村とはドキッとして真弓のさす方を見たが、そこには何の人影もなかった。村井は一層声を優しくしながら、
「僕達二人の他は誰もいやしませんよ。真弓さん、気を確かに持って下さい。僕達二人こうしているんですから、誰が来たって、指一本触れさせはしませんよ。第一山川は刑務所に入れられているじゃありませんか」
「いいえ、違います。あの恐ろしい男は、いつどんな所からでも出て来ます」
「ハハハハ、ひどく恐れるんですね。まさか、刑務所から出て来るような事はありませんよ。それよりも、真弓さん、あなたは宮部京子を殺した真犯人を知っている筈です。教えて下さい」
「――」
「ね、いつまでも隠せるものじゃなし、又、隠さない方が、あなたの為でもありますよ」
「私は恐ろしい――」
「なに、あなたの身体は私達がどんな事があっても衛ります。あなたは誰かに威かされているんでしょう。