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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
「文学界」1937(昭和12)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页
兎に角、そういう心境に到ったということは祝福すべきことです。でも、本当にそうなれましたか?
すべての自己満足を殺さねばなりません。まだまだお母さんは弱い。うちの者の愛に頼り過ぎるということは自己満足です。お父さんがお母さんに対する愛は大きいですが、お父さんの茫漠性が、かなりお母さんに害を与えていると思います。お父さんの茫漠性は長所であり短所であると思います。
真当に今しまって貰わなければ困ります。
小児性も生れつきでしょうが、やめにして下さい。自分の持っている幼稚なものを許して眺めていることは、デカダンです。自分の持っていないものこそ、務めて摂取すべきです。一度自分のものとなったら、そこから出る不純物、垢は常に排泄するのです。
むす子の手紙二――(前略)……お母さんは余りに自分流のカテゴリーを信じようとしすぎるような気がします。だから苦しみ迷うだろうと思います。
人生はさとるのが目的ではないです。生きるのです。人間は動物ですから。(後略)
むす子の手紙三――(前略)ですからもうあんな作品を書かないで下さい。僕がお母さんを攻撃するのは、実に悪い半面をたたきつぶすのが僕の愛された子としてのつとめだと思っているからです。