轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

「文学界」1937(昭和12)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页

青空文庫

私たちは日本の美術家に敬意を表して、私たちのベッドを譲りました。つまり彼を二人で運んでベッドへ寝かせてやり、私たちはソファや椅子を並べて寝たわけですな」

かの女は「まあ」と云った。

「まだ先があるんです。朝、彼は眼を覚ましました。勝手が違ったところにいるので、彼は妙な顔をしていました。しかし、一部始終が判ると、彼は真面目な顔を作って云いました。どうも君たちの新婚の夢を妨げて相済まんと。それから帰って行きました」

ここで、夫人はまた、「イチロ、ふふふふ」と、かの女の顔を見て好意の籠った笑いを贈った。

かの女は、再び「あ」と云って笑いに誘われた。逸作は、むす子の仕方を想像して、健気な奴と云った表情で笑っている。

しかし、かの女は笑いに巻き締められるような想いが胸に泛んだ。自分がともすれば誤解を受け易い性質から、強い味方が出来ると思う一方、強い敵の出来る厄介な運命に引きかえて、むす子は到るところで愛され、縦横に振舞って、到るところで自由な天地が構えられる。何という無造作な生活力だろう。わが子ながら嫉ましく小憎い。だがしかし、彼は見た通りの根からの無造作や自然で、果して今日のような生き方が出来ているだろうか。