轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みずがめ

水甕

豊島 与志雄

――近代説話――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,082 字 · 26 页

青空文庫

「世の中のことは、辛棒が大切だよ。あんたもまあ若いから、癇癪玉を押えつけるのを、修業の第一とするがいいよ。」

また、或る時、会社で、業務上の相談会のあと、主任の江川は彼の肩を叩いて囁くように言いました。

「お互に、自重しようよ。直接行動はいつでも出来るからね。」

それらのことが、仁木にとっては、意外でもあり心外でもありました。彼はいつも控え目に、口もあまり利かぬようにしていました。但し、好奇心から町会の総会に出てみました時、区役所からの種々の通達がいつも余りにさし迫って来るので困るということについて、そのような御役所式な通達は無視して取り合わないがよかろうと、卒直に言ったことはありました。また、会社のいろんな運営方針については、従業員のすべてに自分の会社だとの意識を持たせるような、ただその一線だけを進むべきだと、卒直に言ったことはありました。いずれも卒直な素朴な言葉で、それがどうして、癇癪玉だの直接行動だのに関係がありましたろうか。それよりも寧ろ、彼が憂欝そうに黙りこんで煙草など吹かしてる、その態度こそ、人目につき易かったのでありましょう。血気盛んな筈の三十歳あまりで、顔色は浅黒く、頭髪は硬く、眼は輝き、口許には冷笑を浮べ、肩がいかり、手がへんに大きな、そういう彼が憂欝そうに黙りこんでるところは、なにか乱暴