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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页
楢ノ木大学士の野宿
楢ノ木大学士は宝石学の専門だ。
ある晩大学士の小さな家へ、
「貝の火兄弟商会」の、
赤鼻の支配人がやって来た。
「先生、ごく上等の蛋白石の注文があるのですがどうでしょう、お探しをねがえませんでしょうか。もっともごくごく上等のやつをほしいのです。何せ相手がグリーンランドの途方もない成金ですから、ありふれたものじゃなかなか承知しないんです。」
大学士は葉巻を横にくわえ、
雲母紙を張った天井を、
斜めに見上げて聴いていた。
「たびたびご迷惑で、まことに恐れ入りますが、いかがなもんでございましょう。」
そこで楢ノ木大学士は、
にやっと笑って葉巻をとった。
「うん、探してやろう。蛋白石のいいのなら、流紋玻璃を探せばいい。探してやろう。僕は実際、一ぺんさがしに出かけたら、きっともう足が宝石のある所へ向くんだよ。そして宝石のある山へ行くと、奇体に足が動かない。直覚だねえ。いや、それだから、却って困ることもあるよ。たとえば僕は一千九百十九年の七月に、アメリカのジャイアントアーム会社の依嘱を受けて、紅宝玉を探しにビルマへ行ったがね、やっぱりいつか足は紅宝玉の山へ向く。それからちゃんと見附かって、帰ろうとしてもなかなか足があがらない。