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りゅうせんスパイ

流線間諜

海野 十三

「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页

青空文庫

いずれ後から何もかも分るよ……。さあその代り、直ぐ出発だよ。行先は乗った上でないと云えないが、よかったら君も一緒に行かんか」

「なに出発ですか。……連れていって下さい。どこでも構いません。地獄の際涯でもどこでも恐れやしません。ぜひ連れてって下さい」

帆村は莞爾として、牧山大佐のあとに随った。

大団円

牧山大佐が帆村探偵を自動車に乗せて案内した先は、帝都の郊外にある飛行場だった。車は真暗な場内の奥深く入って停ったが、そこには目の前に、夜光ペイントを塗った飛行機の胴体が鈍く光っていた。

「これは例の世界に誇る巨人爆撃機だな」

と、帆村は早くもそれと察した。巨人爆撃機なら、時速は五百キロで、航続距離は二万キロ、爆薬は二十噸積めるという世界に誇るべき優秀機だった。一行はすでに乗りこんでいたものと見え、帆村たちが乗りこむと直ぐ爆音をあげて滑走をはじめ、まもなく機体はフワリと宙に浮きあがった。

巨人機はグングン上昇した。メートルもなにも見えないけれども、身体に感ずる圧力でそれと分った。その上昇がまだ続けられているときのことだったが、乗組の全員が頭にかけている受話器に警報が鳴りひびいた。