轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさまふんかこう

浅間噴火口

豊島 与志雄

「文芸春秋」1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,938 字 · 24 页

青空文庫

、自分をここの支配人にしてみる勇気はないかと云い切った。ひとつ考えてみようかな、と江原はごまかした。

「是非考えてみて下さい。そして勇気です、物事は勇気です。」と李は独り肯いてみせた。

李に関するそういう話が、なおいろいろと出た。正枝の方でも、李の逸話を少しした。そして二人は旧知のように話しあったが、ふと、言葉が途切れると、李の映像が大きく浮んでき、三日も四日も何処で何をしてるかと再び心配になった。

「普通のアパートでしたら、止宿人は全く自由でしょうけれど、私共では、よその大事な息子さん達をお預りしてるという気持から、殊に厳重にしておりますし、李さんもそれはよく知っておる筈ですが……。」

「それに、先程申したように、別所君と一緒に、或は別々かも知れませんが、同時に居なくなったということがなんだか、気懸りです。」

別所の神経質な弱々しい人柄と並べると、李の秀才型ではあるが一風変った性格が、いつしか兇悪な影をも帯びてくるようだった。それかといって、警察の力をかりるには、李に思想上の悪傾向にないとしても、特高係のたまの来訪や半島出身者という点からして、憚られるものがあった。