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きえたうつくしいふしぎなにじ
消えた美しい不思議なにじ
小川 未明
「童話」1921(大正10)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 8,038 字 · 16 页
いまごろはもっとたくさんな人間や生き物が死んでいるだろう。その後のようすが知りたいものだ。」と、姉はいいました。
年とったからすは、長い旅に疲れて、杭に止まって居眠りをしていました。姉は、黒い河からへびのような長い魚をとって、からすに食わせました。からすはまた下界に向かって旅立ちをしたのであります。
からすが去ってから、約十日めにふくろうが帰ってきました。
「その後の下界のようすはどんなであるか。」と、姉はききました。
「悪病が流行しています。その伝染の速さといったら風のようであります。この分なら人間がみんな死に絶えてしまうであろうと思います。」と、ふくろうはいいました。
姉はこれをきくと、たいそう喜びました。
「きっと、そのことは、あのおいぼれたからすめの立った後のできごとであろう。」といって、姉は河の中から、長いへびのような黒い魚をいくつもとって、ふくろうにやっていたわりました。
ふくろうは、黒い森の王さまにされました。
幸福を下界に贈ろうと思って、いっしょうけんめいに黄金色に輝く砂を河の中に投げていました妹は、もうこれほどまでに幸福を送ったことだから、きっと下界はどんなにか幸福がゆきわたっていることだろうと思いました。