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きえたうつくしいふしぎなにじ
消えた美しい不思議なにじ
小川 未明
「童話」1921(大正10)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 8,038 字 · 16 页
「あの元気のいいはとはまだ帰ってこないだろうか。あれがきたら、すべてのようすがわかるのだが。」と、妹はよく晴れわたった空をながめていいました。
ある日のこと、まだ太陽が出ない前でありました。頭の上に翼の音が聞こえたかと思うと、美しい白ばとが大空をまわりながら地の上に降りてきました。
「お早う。おまえの元気のいい顔を見ると、わたしの心までせいせいします。なにかいい報知を持ってきたことと思うが、きかせておくれ。」と、妹は、はとに向かっていいました。
白ばとは、円い目をみはりながら、若い女神の顔を見ていましたが、
「それは下界はにぎやかなものでございます。毎日毎日、たくさんな婚礼があって、祝いの鐘が鳴り響いています。また、なにかのお祭りがあって、そのたびに花火の音が、あちらでも、こちらでもしています。また、後から後からと人間の家では子供が産まれています。この分でゆきましたら、下界はやがて幸福でいっぱいになって、人間はみんな命の短いのを恨むばかりであります。」と申しました。
妹は笑って、はとのいうことを聞いていましたが、
「それでは、わたしの思いがついにかなったというものだ。