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きえたうつくしいふしぎなにじ
消えた美しい不思議なにじ
小川 未明
「童話」1921(大正10)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 8,038 字 · 16 页
そのうちに、自分も一度下界へいって、その有り様を一目見てきたいものだと思われたのであります。
ついに妹は、下界へゆく決心をしました。けれど、そのようすでは途中、風や、雲や、雨や、また多くの星などに、どこへゆくかと目についてたずねられることをうるさく思いましたから、はとに姿を変えてゆくことにしました。
ある日のこと、彼女はまっすぐに下界を目がけて飛んできました。
高い山が目に入り、ついで、いろいろの建物が目に入るように近づきました。すると、円い屋根もあれば、またとがったのもありました。赤い色で塗った建物もあれば、白い色で塗った建物もあれば、青い色で塗られた建物もあります。五階も十階もある大きな家もあれば、またこぢんまりとしたきれいな家もありました。はとのいったように、いい音楽の音色が街の中から流れていました。そして夜になると、街は一面に美しい燈火の海となったのであります。
「こんなに美しいとは思わなかった。」と、妹は驚きました。
夜が明けると、人々は、きれいなふうをして自動車に乗ったり、馬車に乗ったり、また電車に乗ったりして往来していました。
「なるほど、みんなはしあわせであるらしい。