轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふかがわにょうぼう

深川女房

小栗 風葉

「新小説」1905(明治38)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,597 字 · 57 页

青空文庫

「いいえ、そんなことを思っていると大間違いです。こないだもね、お光さんがおいで下すった時に、何だかあれが煮えきらない様子でしたから、後で私がそう言って聞かしたことですよ。お前なんぞ年が若いから、もしね、人並みの顔や姿でとんだ自惚れでも持って、あの、口なくして玉の輿なんて草双紙にでもあるようなことを考えてるなら、それこそ大間違い! 妾手掛けなら知らないこと、この世知辛い世に顔や縹致で女房を貰う者は、唐天竺にだってありはしない。縹致よりは支度、支度よりは持参、嫁の年よりはまず親の身代を聞こうという代世界だもの、そんな自惚れなんぞ決してお持ちでないって、ねえ、そう言ったことですよ」

「だって、何ぼ今の代世界だって、阿母さんのようにそう一概に言ったものでもありませんよ。随分また縹致や気立てに惚れた縁組も、世間にないとは限りませんもの。阿母さんのように言ってしまった日には、まるで男女の情間なんてものはなさそうですけど、今だって何じゃありませんか、惚れたのはれたのと、欲も得も忘れて一生懸命になる人もあるし、よくそんな話が新聞なぞにも出ているじゃありませんか」とお光は真剣になって弁駁する。