轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しぶやけのしそ
渋谷家の始祖
宮本 百合子
「中央公論」1920(大正9)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,023 字 · 133 页
正隆は、たとい、どれほど同情するらしく、
「いやお困りでしょう。当分は誰でも閉口しますよ、まあもう暫くです」
などと、言葉の不自由を想いやってくれても、裏ではきっと、自分の鈍(どん)を笑っているに違いないのだ、と思わずにはいられない。何も、それを証明する実証は上らないでも、正隆は、総てをそんな風に思わずにはいられない気分になって来たのである。
多くの人の中には、実際そんな者もあったかも知れない。けれども、決してそれが全部ではないということは、断言出来る。
けれども、正隆は、それ等の種類を鑑別するだけ、自分を開いていなかった。自分の魂に、日の目が差さないように封鎖した彼は、また他人の心へ、光線を送り、見出すことは出来ない。絶えず揉まれる、落付かない、不真実な周囲を感じる正隆は、凝(じっ)と、寂しい、腹立たしい心を噛みながら、同僚に背を向けた。
彼は、温みのない、堅い、辛辣な、裏切者が潰れた片目ばかりを光らせる生活を感じたのである。
冷酷だ!
何かにつけて、正隆はこう呟く。
何が、冷酷なのか? 生活、人生が、冷酷なのだ。何故、冷酷なのか? それは、はっきりと説明の出来ない心持である。