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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
小栗虫太郎『潜航艇「鷹の城」』。同一底本的分册已合并为一书。收入:潜航艇「鷹の城」、一週一夜物語、地虫、人魚謎お岩殺し。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,395 字 · 263 页
ウルリーケはこもごも湧き起る回想のために、しばらくむせび泣きしていたが、やがて歩を返し、つづいて艇長の最期を語るために、詩人の犬射復六が朝枝に連れ出された。
ところが、この前事務長の口からして、艇長の最期にまつわる驚くべき事実が吐かれたのであった。
二、「鷹の城」の怪奇
「私はこの際、フォン・エッセン艇長の最期を明らかにして、坊間流布されておりますところの、謬説を打破したいと考えます。
私ども四人が当時乗り込んでおりました貨物船室戸丸は、そのおり露西亜政府の傭船となっておりましたので、『鷹の城』の襲撃をこうむることは、むしろ当然の仕儀であると云い得ましょう。一九一七年三月三十日、室戸丸は『鷹の城』のために、晩香波島を去る七〇浬の海上で拿捕されました」
こうして、犬射が語りだす遭難の情景を、作者は、便宜上船内日誌を借りることにする。
本船は横浜解纜の際、以前捕鯨船の砲手であったヴィデを招き、同時に四吋の砲を二門積み込んだのであった。それは、左右両舷に据えられた。しかも数箱の砲弾が甲板に積み上げられたのである。だが、どうしてだろう? 北太平洋には、いま氷山のほか何ものも怖れるものはないではないか。